家が哀しんでいる
物件調査で歩いていたらこんな建物を見つけました。空き家です。
空き家問題は語られてきて久しくなりますが、今もなお空き家をそのまま放置されているところが多いですね。
2013年に行われた総務省の「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は820万戸で5年前に比べ63万戸(8.3%)増。空き家率も13.5%と0.4ポイント上昇して、過去最高となっています。
管理されていない空き家は倒壊、不審火の可能性、衛生、景観などに悪影響を与えることから社会問題となっています。なぜ使われてもいない空き家が存在しているのか分かりますか?
それは市町村税ともなる「固定資産税」の特例措置があるためです。固定資産税は建物が立っているだけで土地の固定資産税が200㎡までは6分の1に軽減されます(それを超えた部分は3分の1)。なので、節税効果も得られるため、使われない建物がそのままになっているのです。
ところが、政府は空き家による諸問題解決と不動産流通促進のための手段として、市町村が問題のある空き家と認定した場合には、その土地について軽減措置の対象から外すことができるようになりました。つまり利用予定のない空き家を所有している人は、今までの6倍の固定資産税を納めなければならない可能性ができてたのです。
使われていない空き家を「再利用」するか「売却」するかを真剣に考えなくてはならない時代になったと言えるでしょう。